不整脈の話 of Prodoc


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大切な時間を最高の環境とともに

不整脈とは

怖い不整脈とそうでない不整脈とは

=不整脈のすべて=

不整脈の理解のために必要なこととは!
<心臓突然死の予防や早期治療のために!>

なお、本書は近刊予定のフルバージョン書の抜粋と改編により作成。本書の著作権はすべて著者に帰属する。

―はじめにー
人類や哺乳類が生きていくためには、その生命を維持するために、心臓がたくましく絶え間なく働くことが必要である。妊娠早期に、超音波検査で母体内の胎児を観察すると、心臓がたくましく拍動する姿は、生命の誕生のすばらしさに畏敬の念と感動を覚えるものである。その心臓のたくましさに支えられるように人体は作られていく。
 心臓を動かす起点となる発電所が洞結節という特殊な細胞が、心臓の右上(上大静脈と右心房の境界部)にある。ここから出る規則正しい電圧が、心臓の刺激伝導系の細胞を伝わって、心臓全体に伝達される結果、心臓の筋肉が収縮と弛緩を繰り返すのである。この心臓から出る微弱な電気現象(電位)をとらえたのが心電図である。
 本書の目的は、一般の方々も理解できるように不整脈の内容を記述します。
なお、年配の方や目の不自由な方にも配慮して字を大きくしています。

目次
1.心電図と心電計の概略
2.心電図の見方
3.正常な心電図とは
4.怖くない不整脈とは
5.怖い不整脈とは
7.異常所見がコメントされた時の対処方法
8.日常生活で注意すること
9.あとがき
10.参考著書と文献

1.心電図と心電計の概略
 基本的な事柄として、心臓は胸のほぼ中央やや左に位置し、大きさは握り拳大である。その実物大模型は図―1(著者の心臓モデル)であることを認識してください。

緒言(はじめに)の中でも言及しましたが、心電計の発明と開発は、1903年にオランダの生理学者アイントーフェンにより始まった。心臓を動かす起点となる発電所が洞結節という特殊な細胞が、心臓の右上(上大静脈と右心房の境界部)にある。ここから出る規則正しい電圧が、心臓の刺激伝導系の細胞を伝わって、心臓全体に伝達される結果、心臓の筋肉が収縮と弛緩を繰り返すのである(図―2)。この心臓から出る微弱な電気現象(電位)をとらえたのが心電図である。
心電図を測定する機器や技術は、時代の進歩と
ともに発展してきた。体の外(体表面)から測定する機器から、体内から測定する電極カテーテルや埋め込み型のものなどまでさまざまな機器と技術が確立してきた。これらの技術の基本は、心臓からでる微弱な電位を効率よく検出し、精度よく、安定してかつ正しく表示・記録することである。
現在、一般に用いられる体表面から測定する心電計は、その用途に応じて12誘導心電計、運動負荷心電計、モニター型心電計、ホルター心電計、がある。これらは、一般に医療機関で使用や利用されるものである。図―3は12誘導心電図の典型例です。
なお、本書の目的は、一般の方々が利用できる医療機器としての心電計、すなわち通信対応・家庭用“携帯型心電計”の現状をお話しすることです。本書のサブタイトルにもありますように、いつでもどこでもだれでもが利用できる心電計、ホスピタルユースからホームユースへ!を目指して解りやすく記述していきます。

図―1:筆者の実物大拍動心臓モデルで、最大300万回、最低でも安定して数十万回拍動する。 
日本、ベルギー、イスラエルの最新技術と英知を結集して5年8ヶ月の歳月の後本年完成した。  
その拍動の仕方も、正常状態からいろいろな不整脈の状態を再現して拍動させることが出来る。このシステムは2010年3月の日本循環器学会(京都国際会議場)にて、ライブデモをした時の写真である。

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図―2:洞結節(発電所)からの刺激の伝わり方
左上の右房上縁と上大静脈の境にある洞結節(発電所)から、刺激が出て順次心房・心室へ伝わる。その結果、心筋が収縮と弛緩を繰り返し、全身に酸素と栄養を送り出します。

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刺激伝導系における時間の経過と心電図波形の関係(洞結節は発電所で、電気刺激を発生させる。その刺激が伝わり、P波は心房の興奮、QRS波は心室の興奮、T波は心室の興奮がさめる時の波形を示す。)

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